【笑・食・歩・温】竹田式湯治

効能を最新科学で実証!【炭酸泉篇】

炭酸泉イメージ

細胞をよみがえらせる、希少な泉質

炭酸泉とは、炭酸ガスを多く含む温泉のこと。古くから「美肌の湯」として名高く、近年は高血圧の血圧を下げたり、血糖値の上昇を抑える 働き、それに驚異的な疲労回復効果があることがわかり、大きな注目を集めています。

世界的にも希少な泉質である炭酸泉ですが、大分県竹田市は「日本一の炭酸泉」ともいわれる長湯温泉に加え、久住高原温泉郷、荻・竹田温泉の3エリアにわたって炭酸泉を含む温泉群連なる類い稀な場所。炭酸泉の源泉を持つ施設の数はなんと50を超え、個性溢れる名湯を楽しめます。

炭酸泉につかると若返り効果が期待できます

竹田市の炭酸泉では、肌につく気泡がとても印象的です。この気泡が炭酸効果を発揮するのですか?
伊藤先生

実は炭酸ガス効果を発揮するのは、気泡の炭酸ガスではなく、お湯に溶け込んだ細かな炭酸ガスです。これらが皮ふから体に入り、毛細血管を拡張し、血流を促進させます。すると皮ふや筋肉の酸素が増加し、新陳代謝を亢進させ、老廃物や痛み物質の排泄も促します。

老廃物の排泄効果ということは…女性としては、お肌へのデトックス効果を期待してしまいますね?
伊藤先生

皮ふの酸素増加作用に加えて、コラーゲンの生成を助けて肌をみずみずしくさせるメタケイ酸が多く含まれ、美肌効果も期待できます。 もちろんそれだけではありません。温かい炭酸泉に入浴すると、効率よく体が温まり、炎症などから臓器を保護し、強力な細胞保護作用を持つHSP(ヒートショックプロテイン)が増加するという実験結果もあります。

竹田市での温泉療法には、血管の炎症を抑えて動脈硬化の進行を防ぎ、心筋こうそくや脳こうそくを防ぐ効果も期待できるのです。

筋肉と皮ふの酸素が増えるグラフ
長湯温泉に入浴すると筋肉と皮ふの酸素が増える

伊藤 恭

長湯温泉にある伊藤医院の院長。医院内の温泉を利用した温泉研究と療養指導を実践している。温泉療法医、日本温泉気候物理医学会評議委員。

炭酸泉を飲むと糖尿病への効果が期待できます

長湯温泉の飲泉は、慢性消火器病、糖尿病、肝臓病への適応症掲示が許可されていますが、温泉を飲むと具体的にはどういう影響があるのですか?
村上先生

様々な影響があると考えられますが、私が今注目していることのひとつに、万病の元といっても過言ではない、血糖値の上昇を抑える効果があります。

そのことを示している実験結果が出ているのですか?
村上先生

はい、今回全国ではじめて、26~59歳までの成人男女24名を対象に毎日500mlの水道水または長湯温泉の温泉水を、交互にそれぞれ1週間を2回ずつ、合計4週間にわたって飲んでもらう実験を行いました。

その結果、様々な検査項目のなかで、血液中の「グリコアルブミン」が相対的に減少することが確認できたのです。「グリコアルブミン」とは血糖値が低ければ減少し、高ければ増加する物質です。

また、血液解析の結果、血中アミノ酸濃度が高い人は将来糖尿病になりやすいとの報告があるのですが、温泉水飲用後は血中のアミノ酸濃度が減少しました。これは、生体内でのタンパク質分解が抑制された結果ではないかと考えられます。さらに、腸内細菌叢解析の結果からは、肥満防止効果があることが報告されているChristensenellaceae と呼ばれる細菌群が飲泉後に増加することが明らかになりました。

血糖値が気になる人にとっては夢の薬になる可能性があるということですね。
村上先生

今後、動物実験を実施することで詳細なデータを集め、予防効果を含めた様々な効果を実証していきたいと考えています。

温泉水を飲むとグリコアルブミン値が相対的に減少グラフ
温泉水を飲むとグリコアルブミン値が相対的に減少
グリコアルブミン値低下の概略グラフ
グリコアルブミン値低下の概略

村上 慎之介

慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科 後期博士過程、日本学術振興会 特別研究員(DC1)。慶応義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)において、主に遺伝子工学、微生物学の視点から、温泉が人に与える様々な影響について研究している。

最新の湯治モニター実験の結果!

2015年夏から秋にかけて、「予防医学の視点で捉えた温泉医学効果、美容効果」検証を目的に、松田忠徳教授(温泉学・医学博士)が長湯温泉で湯治モニター調査を行いました。期間約3カ月間のこの調査は、

  • 【1】「3泊4日プチ湯治」(平均年齢59歳)と
  • 【2】「3カ月間週2回通い湯治」(平均年齢54歳)に

それぞれ23人がモニター参加し、調査開始前後に、採血、唾液、皮膚の酸化還元電位などを測定するもの。その結果次の結果が得られたのです。

血圧が下がることがわかった
美肌効果を高めることがわかった
  • ・皮膚の酸化還元電位が減少!(3ヶ月通いモニターのみ)
  • ・抹消血管血流速度が上昇!(3ヶ月通いモニターのみ)
  • ・皮膚水分量が増!
老化と万病の元である「活性酸素」を除去・抑制することがわかった
  • ・ 酸化ストレス度減!
  • ・「潜在的抗酸化能」(つまり新たに疾病に打ち克つ力)が増!
唾液のOPRが健康度の指標である「還元系」に変化することがわかった
水分量の増加グラフ
水分量の増加グラフ
酸化ストレス度の減少対比
酸化ストレス度の減少対比

ストレスなどが原因で増加する活性酸素の除去効果や抗酸化力の増進など、予防医学の観点から長湯温泉が有効であることを強く示唆する結果が得られました。

松田 忠徳

医学博士。モンゴル国立医科大学伝統医学部教授(温泉健康医学)。『温泉に入ると病気にならない』(PHP新書)など、著訳書130冊以上。

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